不動産の相続トラブルについて!放置リスクも解説

不動産の相続を控えており、親族間で揉め事やトラブルが起きないかと不安を抱えていませんか。
遺産の公平な分け方や名義変更の手続きなど、不動産の相続は専門的な知識が求められる要素が多く、当事者同士の話し合いだけでは解決が難しく長引くケースも決して少なくありません。
本記事では、相続人同士で起こりがちな意見の対立から、分割方法を選択する際の注意点、名義変更を放置する法的なリスクまで、不動産相続でよくあるトラブルとその具体的な解決策について解説します。
大切な資産をめぐる争いを防ぎ、円滑な手続きに向けて準備を進めたい不動産を相続する予定のある方は、ぜひご参考になさってくださいね。
不動産相続で相続人同士に起きるトラブルと解決策

不動産相続のトラブルには、主に誰がどのように財産を分けるかという問題があります。
まずは、相続人同士で起こりがちな対立と、その解決策について解説します。
同居と別居の対立背景
親と同居して介護を担ってきた相続人は、生活の場でもあった実家を引き継ぎたいと考えることがあります。
一方で、別居していた相続人は法定相続分に沿った平等な分配を求める場合があるでしょう。
この意見の違いは、介護の負担や親との関わり方に対する受け止め方の差から生じやすいです。
また、不動産は現金のように細かく分けにくいため、誰が取得するかで話し合いが止まりやすくなります。
そのため、通帳や領収書などの資料を確認し、事実と感情を分けて整理する姿勢が大切です。
寄与分を主張する場合も、別居していた方の立場に配慮しながら、冷静に協議を進めましょう。
遺言書有無と解決手順
遺言書がある場合は、まず内容を確認し、その内容をもとに手続きの方向性を整理します。
ただし、特定の相続人だけに大きく偏る内容であれば、遺留分への配慮が必要になるでしょう。
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議をおこない、不動産の取得者を決めなければなりません。
しかし、感情的な対立が強いと、当事者だけでは法的な根拠を整理しにくくなります。
そのため、弁護士に相談し、寄与分や特別受益などの考え方を確認しながら進めると安心です。
協議でまとまらないときは家庭裁判所の調停を利用し、第三者を交えて解決を目指します。
未成年等がいる注意点
相続人に未成年の子どもがいる場合、その子どもは単独で遺産分割協議に参加できません。
さらに、親も同じ相続人になるケースでは、親子の利益がぶつかる利益相反に注意が必要です。
この場合は、家庭裁判所で特別代理人を選任し、子どもの権利を守りながら協議を進めます。
また、遠方に住む相続人がいるときは、電話やインターネットで内容を共有し、全員の合意を確認しましょう。
遺産分割協議書は郵送で持ち回ることもできるため、実印や印鑑証明書の準備も欠かせません。
遺留分を金銭で調整する場面では、評価額や支払方法を専門家に確認しておくと進めやすくなります。
不動産を平等に分ける際の分割方法別トラブルと対策

前章では、相続人同士の対立について述べましたが、不動産を平等に分けるには工夫が必要です。
ここでは、分割方法別のトラブルや、その対処法について解説します。
3つの分割方法の特徴
現物分割は、不動産や預貯金をそのままの形で分ける方法で、財産を残しやすい点が特徴です。
ただし、それぞれの財産価値が同じになるとは限らず、公平感をどう保つかが課題になります。
換価分割は、不動産を売却して現金化し、相続分に応じて分ける進め方です。
一方で、思い出のある実家を手放すことになるため、家族の気持ちにも配慮する必要があります。
共有分割は複数人の名義にする方法で、その時点では平等に見えやすいでしょう。
また、代償分割は1人が不動産を取得し、他の相続人へ代償金を支払って差を調整する方法です。
評価額を巡る争い事例
分割方法を決める際は、不動産の評価額をどの基準で見るかによって意見が分かれやすくなります。
代償金を支払う側は評価を抑えたいと考え、受け取る側は高い評価を望む場合があるでしょう。
また、固定資産税評価額や路線価など、評価の基準が複数あることも対立の原因になります。
都市部の実家と地方の土地では、維持費や将来の利用価値に対する考え方も異なりやすいです。
そのため、金額だけで判断せず、介護の負担や家族の思いも含めて話し合うことが欠かせません。
評価に関する資料を全員で共有し、採用する基準を事前に決めておくと、協議を進めやすくなります。
代償金などの解決手段
評価額の考え方をそろえるには、不動産鑑定士や弁護士など専門家の意見を聞く方法があります。
客観的な資料をもとに話し合えば、感情だけで判断する状況を避けやすくなるでしょう。
不動産を残したい場合は、取得する相続人が代償金を支払い、価値の差を調整する方法が考えられます。
ただし、代償金にはまとまった資金が必要になるため、融資や生命保険金の活用も検討しておきましょう。
共有状態を解消したいときは、持分の買い取りや共同売却について早めに方針を決めることが大切です。
将来の売却や次の相続も見据え、合意が難しい場合は調停や専門家への相談を進めましょう。
不動産の名義変更を放置するリスクと解決までの手順

ここまで、遺産分割時の注意点を解説しましたが、分割後の手続きに関する問題もおさえておきましょう。
最後に、名義変更を放置した際のリスクと、解決までの手順について解説します。
放置による3つのリスク
名義変更を放置すると、まず固定資産税の負担が相続人全員に関わる点に注意が必要です。
納付状況の確認が遅れると延滞金につながる場合もあるため、早めに代表者を決めておきましょう。
次に、空き家の管理が不十分になり、建物の傷みや草木の繁茂が進むリスクがあります。
さらに、管理不全空家に指定されると、住宅用地特例による税の軽減を受けられない可能性もあります。
3つ目は、売却や担保設定などの手続きが進めにくくなることです。
そのため、登記が終わるまでは利用方針を共有し、鍵や保険、管理担当者についても確認しておくと良いでしょう。
合意困難な場合の調停
名義変更を進めるには、誰がどの不動産を取得するのかを遺産分割協議書へ明確に記す必要があります。
その際は、登記事項証明書で地番や家屋番号を確認し、物件情報を正しく記載しましょう。
また、協議書には相続人全員の実印と印鑑証明書をそろえるのが基本です。
1人でも合意できない方がいる場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を利用する方法があります。
また、調停では調停委員が間に入り、各相続人の希望や資料を確認しながら話し合いを整えてくれます。
合意できれば調停調書を使って相続登記を進められ、まとまらない場合は審判へ移る流れです。
登記義務化と必要費用
2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産の取得を知った日から3年以内の申請が必要です。
申請を怠ると過料が科される可能性があるため、対象となる不動産は早めに確認しましょう。
司法書士へ依頼する費用は、一般的に5万円~15万円程度を目安に考えておくと安心です。
ただし、これとは別に登録免許税や戸籍取得費などの実費も発生します。
また、相続人の調査には時間がかかることもあるため、戸籍の収集は早い段階から始めると良いでしょう。
固定資産税納税通知書や本人確認書類も準備し、専門家へ相談しながら期限内の申請を進めましょう。
まとめ
不動産相続では、同居・別居など立場の違いで対立が起きやすいため、事実と感情を分け、遺言書確認や専門家を交えた話し合いが重要です。
平等に分けるには状況に合う分割方法を選び、評価額を巡る対立を防ぐためにも専門家の助言を受けて調整することが大切です。
名義変更の放置は管理不全や税負担を招くため、義務化に対応し、遺産分割協議を早めに終えて3年以内に相続登記を完了させましょう。

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